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この感情は 1

 わいわい、とにぎわう教室、昼休み。
 そんな中、爽子は自動販売機とにらめっこをしていた。



1 別に、理由なんてない
「よっ!さーわこっ!何してんの?」

 私が自動販売機の前で悩んでいると、後ろから声をかけられた。
 ちづちゃんだった。

「ちづちゃん。あ、今なににしようかと…」
「あ、あたしも買いに来たんだよ」
「え、あ、そうなの?じゃあ、お先にどうぞ」
「いーの?ありがとー」

 そう言ってちづちゃんはお金を入れて、ボタンを押した。
 中からガコン、と紙パックが二つでてきた。
 
「二つ飲むの…?」
「ん?あぁ、違う違う!これ矢野ちんのー。ジャンケンで負けてぱしられた」

 んで、爽子はどこ行ってたの、とちづちゃんは聞いた。

「えと、先生に震えを止めるにはどうしたらよいかを聞かれたので職員室に…」
「うわ!またそんなことやってんの?ピンなんか無視無視!そんなことよりあたしらとお昼食べてた方が時間有効に使えるぞ!」

 アドバイスをもらった!さすがはちづちゃんだなぁ…時間の使い方を知ってるんだ…。

「ほら、早く買いな!矢野ちん待ってる!」
「え、う、うん!」

 誘ってくれてるのかな。そう思ったら急ごうとあせってしまい、間違えて他のボタンを押してしまった。

「あっ」
「ん?」

 出てきたのは、いちご牛乳。

「爽子、いちご牛乳好きなの?」
「ううん、嫌いじゃないけど…ま、間違えて押しちゃった……」
「えーっ!?もったいねーっ!!」
「あ、でも、飲めるから…」
「爽子が良いならいいけど…。じゃあ行く?」
「うん」

 教室に戻ろうと、振り返ったときだった。女の子が二人、後ろで待っていた。
 待たせていたことに悪気を感じ、心の中で謝りながら、先を行くちづちゃんの後ろを追いかけた。

「え!?うっそ。いちご牛乳もうないんだけど!!」

 後ろから大きな声が聞こえた。反応した爽子は勢いよく振り返る。どうした、爽子、と言っている千鶴に爽子は「うん…」と答えた。
 そして、女生徒二人に近付く。

「あの……」
「…っ!」
「な、なに…っ!?」
「これ、よかったら、私いらないので…」
 そ、といちご牛乳を俯きながら、差し伸べる。
 何も言わない女生徒が気になり、ふと顔をあげると、爽子の目には怪訝そうな女生徒の顔が映った。

「あ、い、いい!いらない!」
「もぅ行こっ!!」
 ぱたぱたと走り去る足音。爽子はそこで立ちすくんだ。



──また、だめだったかぁ…。



 それでも私には、ちづちゃんや、あやねちゃん。真田くんや、か、風早くんみたいな友達がいる。それなのに他の人にわかってもらおうなんて、むしがよすぎるよね。
 わかってるけど……。


「爽子!行くよ!」
 ぐっと私の腕をひっぱったちづちゃんは、少し悲しそうな顔をしていた。

***

「おかえりー…ってあれ?なんて顔してるのあんたたちは」

 あやねちゃんに迎え入れられて、嬉しいはずなのに、何故か悲しい。
 …………あ、いちご牛乳を間違えて押しちゃったからかな。

「べっつに!あー、もう!なんかむかつくっ!外で爽やかに遊んでる風早!」
「風早かよ。………で、あたしのコーヒーは?」
「買ったよ。はい」

 ちづちゃんとあやねちゃんが楽しそうに話してるのを見てると、こっちまで楽しくなる。
 それが私にはとても嬉しい……。
 そうぼんやり思ってると、チャイムが鳴った。

 何分かたって、次の授業の用意をしてると、風早くんがいつの間にか戻ってきていた。
 風早くんは私に気付くと、にっこりと笑って側に来た。

「ただいま!あー、あっつい…やっぱ遊んだら汗でちゃった」

 すごい!もうすぐ冬で、風も冷たいのに、汗が出るなんて……!たくさん動いたんだなぁ、と首筋に流れた汗を見て思った。

「あ、風早くん、汗…」
「え?あ、大丈夫」

 ハンカチを差し出したけど、風早くんは大丈夫、と言って、そででぬぐった。
 差し伸べたままのハンカチが、さっきの女生徒を思い出させた。



「……」




 いちご牛乳、どうしよう。
 やっぱ、飲まなければいけないよね。…今日は抹茶が飲みたかったのだけれど。

 隣りから視線を感じ、見てみると風早くんがじーっといちご牛乳を見ていた。

「な、なに?風早くん…」
「や、黒沼飲まないのかなー…って」
「今日は気分じゃないので…」
「気分!?ははっ、なにそれ!じゃあなんで買ったの?」
「えと…間違えて押してしまって…」

 そういうと、風早くんはなにかを考えるように黙ってしまった。
 もしかしたら、気にさわることを言ったのかもしれない!!

「か、風早く…「じゃあさ」

 風早くんは、ばつが悪そうな微笑みを浮かべて、言った。


「俺にそれ、くれない?」

「え…」

 びっくりして少しぽかんとすると、風早くんはあせったように顔の前で手を横に振った。

「いやならいいから!ただ、いらないなら、もらいたいし…あ、ちゃんとお金は払うから!俺も買おうと思ってたし…。ただ買いに行く時間がもうないな…って思って」
「あ、もういちご牛乳はこれで最後だったと…」
「まじで?あー…」

 そしてちら、と私が持っているいちご牛乳を見た。
 なんだか私はその姿がとても可愛いと思ってしまった。
 私は、いちご牛乳を差しのべる。

「これ、あげるよ」
「え!」

 驚いた風早くんの顔が目に入った。
 その瞬間、いらない、と言った女生徒をまた思い出した。

──なんでだろう。あの女の子たちに言われたこと、風早くんに言われると思ったら、すごく嫌だ。さっきは、こんなに心痛くならなかったのに…。

 手が震えてしまう。風早くんが気付いてるのかはわからない。必然的に、俯いてしまった。

 いちご牛乳の冷たさが、私の手にまで移った。






「ありがとう、黒沼」






 いちご牛乳をはさんで重ねられた風早くんの手は、温かかった。
 自然に、頬がやわらかくなった。






「ねー、矢野ちん、甘くない?」
「あんたこれ、砂糖多いコーヒー持ってきたでしょ。………っていうか風早!」

 ん?と少しふくれっ面で振り向く風早。あれね、爽子との時間邪魔されたからね。ふふ。

 風早の近くまで行って、爽子に聞こえないよう質問する。
 とたん、風早は赤くなった。





「別に、理由なんてねーよ!また飲みたかっただけ!」












ねぇ風早、あのいちご牛乳、爽子がピンに呼び出された時、飲んでたよね?何でもう一本、飲むの?…………もしかして、爽子のやつが、飲みたかったの?

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お題 1「別に、理由なんてない」お送りしました!

…むりやりお題いれたのがもろわかりですな。
でも考えたんです!!必死に!!

次は 2「目が合わせられないのは」です。

コメントなど、お待ちしています!
またのお越しを。

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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(非公開コメント受付中)

はじめまして

はじめまして!!
友達に君に届けを紹介されてファンになった
君に届けが大好きな、ソラといいますvv

いろんな二次小説を見てきたんですが、
どこの小説も風早は、いじられまくりですよねww
爽子がどんなに悩んでも、風早の言葉で笑顔になって…それで矢野ちんに…
この繰り返しがすごく面白いですよね!

次のお題楽しみにしていますv がんばってくださいw

お題シリーズ第一弾読みました!!
やっぱりまだ爽子ってだめなんですかねーー
ううっ泣
いい子なのにー
翔太が「ありがとう」って言ったとき
そうこなっくちゃぁーと思いました(バカです
でも最後のちづのセリフナイスです。。
継母やめないでねーーー
プロフィール

Author:さとさい
ここはさとさいが管理する二次創作・自作小説置き場です。
二次創作小説は主に君に届けが増える模様…書きたいなぁと思ったときにジャンルが増える気ままなサイトです。
なお、出版者さまとは関係がございません。
どうぞのんびりごゆっくりしていってください。

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